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彩寿会への理解と同人の役割

彩寿会の創立の精神                                2024. 6. 2

 彩寿会は1975年(昭和50年)に創立されました。このとき早稲田大学稲門建築会の会員である13人の先輩たちが集まり、これまで建築という道を歩み歳を重ねてきたが、あの若き日に「図学演習」や「空間表現」を学ぶ中で得た体験の記憶が、いまや「絵心」へと甦り、かねて望みであった絵を描きたいという強い思いを志として、これを原点に彩寿会を作った、ということです。この精神こそは彩寿会の個性です。

 それから50年の歴史が時を刻み、彩寿会は2025年で創立50周年を迎えます。

彩寿会は同人の親睦の場

 彩寿会に入会した者は「同人」であると会則に定められています。同人とは共通の志をもとに活動する者を言います。一般の絵画クラブなどとは異なり「会員」と呼ぶことはありません。同人の集まりですから、互いが親しい友であり仲間です。先輩後輩の区別はなく、フラットな気風が求められます。この歳にあって、またとない友と仲間を得て交流する場、これが彩寿会の役割です。従って同人の間では常にコミュニケーションを大切にすること、相互に親睦を図ることが会則に定められています。

彩寿会は同人の作品制作と発表の場

 作品の制作に向かうことはかねて同人がいだく熱情の具現です。その表現は作者の自由に任され、肝心の技量の上達も各々の努力に委ねられます。彩寿会はこの自由で大らかな芸術的風土の中で、互いに影響し合い自ら研鑽し向上していく場であります。彩寿会は毎年2回(本展と秋季展)の展覧会を開催し、この彩寿会展こそ同人の作品発表の場となります。会場では作品の合評会があり作者が制作の意図を述べますが、たとえ誇り顔で語ったとしても許されます。また作品を競う場ではないために、彩寿会には先生はおりません。同人は作品を出展することが会則に定められています。

 会場にお見えになり鑑賞いただく大勢のお客様こそは、実は彩寿会と同人にとっては大切な理解者であり支持者です。敬意を持ってお迎えして交歓することが肝要です。

彩寿会の活動と同人の参加

 彩寿会には年間を通して様々な活動があります。彩寿会展、打ち上げ会、総会、臨時総会、懇親会、各種の委員会、会計管理、作品記録、研修会、スケッチ旅行など、各々スケジュールに沿って行われます。同人はこの諸活動に積極的に参加することが求められます。活動を円滑に運営するためには多数の「世話役」が必要になりますが、同人はこれを厭わず、それぞれの役割を分担して受け持つことが求められます。

彩寿会のこれから

 彩寿会はこれから次の50年へと進みます。これまで比類ない芸術団体へと歩みを続けて来たのは誇らしいことですが、古い慣習にだけ拘ることなく、同人は常に視野を広げて新たな彩寿会を考えることが望まれます。初心を大切に守り、時の移りと共に新しいものを取り入れ豊かに膨らませていくという精神は、彩寿会のスタイルです。

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